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30年前の住まいには空気清浄機はほとんどありませんでした。それは決して空気が綺麗だったからではありません。そして、現代の住まいには各部屋ごとに空気清浄機がありエアコンにも空気清浄機脳がついているのが当たり前となっています。それは以前に比べて空気が汚れてきたからなのか、それとも別の理由があるのでしょうか。
空気は汚れているの?
部屋が汚れていると感じるのは、どんな時でしょうか?床がザラザラしている時とかホコリが溜まっている時など、見た目に汚れているとわかった時に掃除をしますよね。では空気が汚れていると思うのはどんな時でしょうか?『何か臭うな』とか『花粉がすごいな』など、何かいつもと違う匂いがするとか呼吸をしてて何か違和感を感じる時に空気の汚れを感じます。
環境省の調査によると、公害が叫ばれていた1970年代から空気の質は大幅に改善しており、ほとんどの項目で環境基準値をクリアしているようです。ほとんどの項目で空気の汚染は改善されてきましたが、一部には問題も残されています。
その中でも、特に問題なのが光化学オキシダント(光化学スモッグといった方が分かりやすいかな)です。実は、これについては環境基準達成率0%と散々な状況です。さらに、昼間の日最高1時間値の年平均値について近年漸増していますのでとても心配です。
他にもNO2は度々問題として取り上げられるNOx(窒素酸化物)ですが、光化学オキシダントを発生させたりすることから、大気汚染防止法では有害物質、特定物質に含まれます。また、水に溶けると亜硝酸を生じますので乳幼児の脳の発育を阻害する恐れもあります。この目に見えない匂いや化学物質、花粉やPM2.5などの影響を考えると確かに空気は汚れているのかも知れませんね。
空気清浄機の普及率は約5割
内閣府の調査によると、空気清浄機の普及率は43.8%で2世帯に1.2台の割合で普及しているそうです。筆者の個人的な感想としては思ったほど多くないなという感じです。実際、セミナーなどで空気清浄機をお使いか尋ねると、一人暮らしの方も含めほとんどの方が所有し、日常的に使われているからです。
また、どんな人が空気清浄機を使っているかにおいては、ペットを飼っている世帯と家族に何らかのアレルギーをお持ちの世帯においてその普及率は5割となっており、ペットの匂いや空気の中に何らかのアレルギー物質が含まれているかも知れないので、少しでも空気をキレイにしたいという思いからご利用になっているのだと思われます。
空気清浄機の正しい使い方をしている人は1割以下!
空気清浄機はメンテナンスや掃除の時を除いて24時間365日動かすものですが、部屋にいる時や花粉の季節だけつけている人が3割くらいいるそうです。もったいないなと思うし、使ってない時邪魔じゃないのかなと思ったりもします。せっかくなので使いましょうね。
それから、空気清浄機を正しく機能させるには定期的なメンテナンスが必要ですが、正しいメンテナンスをしている人は1割未満だそうです。『フィルター交換不要』とか『お手入れ簡単』という言葉だけを頼りにメンテナンスをしている方が多く、(機種によりますが)空気の取り入れ口や吹き出し口のお手入れは1〜2週間に1度くらいのペースで行うのが理想です。いくら空気清浄機だからといっても、フィルターが汚れっぱなしだとカビが発生したり目詰まりが起こり悪臭を吹き出すことになりますよ。
汚れた空気はどこから来るの?
最近の住宅は、省エネ性能を高めるために以前の住宅に比べて気密性能が高くなっています。隙間風が入ってくるようなスカスカの家だと、いくら暖房しても熱が至る所から外に漏れてしまい、部屋が全然暖まらないので、いつまでも暖房機をつけておかなければなりませんよね。その隙間をできるだけ無くしたのが現代の住宅になります。
でも、いくら隙間を小さくしたとしても、人の出入りや窓の隙間などからホコリや花粉は入ってきます。もちろん、目に見えない有害物質は尚更です。
それに、帰宅したときに衣服についていたものを持ち込んだり、洗濯した際にホコリや花粉を室内に持ち込むことになりますので注意が必要です。
対策としては、
- 窓や窓のレールをこまめに掃除する
- 窓の隙間を塞ぐ
- 窓がしっかり閉まるように締まり具合を調整する
- 帰宅時には、ブラシを使ってホコリや花粉をしっかり落とす。
- 洗濯物は乾燥機を使ったり室内干しにする
などになります。
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注意!過剰にならない
空気の汚れは、私たちに健康上の問題や匂いや汚れなど環境衛生上の問題を起こす原因となっていますが、あまりにも過剰に反応することにより逆に健康被害が起きたり精神衛生上の問題となりかねません。例えば、消臭スプレーや芳香剤など場合によっては空気の質を低下させることがあったり、過剰な柔軟剤の投与により『香害』と呼ばれる新たな問題を引き起こす可能性がありますので、十分注意が必要です。
まとめ
これまで公害などで問題視されていた物質は問題のないレベルまで低減されてきましたが、PM2.5に代表されるような粒子状物質(黄砂や煤塵やディーゼル車から排出される黒煙など)は増加の一途で、できる限り体内へ入れないように心掛けなければなりません。せめて室内にいる時くらいは綺麗な空気が吸えるように、汚れた空気を入れない工夫と汚れた空気を清浄化する方法を準備しておきましょう。間違っても、香りや化学物質による一時的な対処に頼り過ぎないように気をつけてください。
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