【講演】良質な睡眠で健康と安全を手に入れる

安全大会では現場の安全について講演するわけですが、現場の安全は何も現場だけ整えればいい訳ではありません。３時間も寝れば大丈夫というショートスリーパーの方や、寝る間を惜しんで働く人などは、どちらかと言うと『頑張っている人』『すごい人』と思われがちですが、ほとんどの人は自分にあった睡眠を取らないと、体を壊しかねません。今回の講演では、良質な睡眠をとることで現場の安全と社員の健康が守れることをお伝えしました。

睡眠不足は飲酒した状態と変わらない

良質な睡眠が安全の源　©︎Green Bridge

厚生労働省によると、４０代の約半数の睡眠時間が６時間以下だそうです。これは日本人の平均睡眠時間よりもかなり短く慢性的な寝不足状態と言えます。このような状態だと、判断が鈍ったり反応が遅れたりするので安全を確保するのがとても難しくなります。２０１８年１月に起きた交通事故は睡眠障害が原因とされ、危険運転致死傷罪が初めて適用されました。これまでは飲酒運転などを主に対象としてきましたが、睡眠障害が危険だという認識が広まってきたのです。ある調査によると４時間睡眠を６日間続けると、そのパフォーマンスは徹夜した状態と同じになったそうです。

良質な睡眠とは

寝る姿勢も人それぞれ　©︎Green Bridge

季節の変わり目は、なかなか起きれない日が続きますね。気温の変化は想像以上にカラダに負担をかけています。ところが、なかなか寝付けないとか睡眠がうまく取れていないとか上手に睡眠が取れていない方が多いのが現実。１日の疲れを取るための睡眠が上手に取れないと、その負担は債務として積み上がっていきます。

テレビやインターネットのショッピングサイトでは、お布団やマットレス、枕など『よく眠れますよ！』といった宣伝をよく目にします。でも、寝具を変えるだけで睡眠が改善するのでしょうか。

良質な睡眠環境を作るための条件は次の３つになります。

1. 良質な睡眠環境を知る
2. 睡眠環境を整える
3. 睡眠にいらないものを寝室に持ち込まない

これらを知り実践することで、良質の睡眠とその人本来のパフォーマンスを取り戻す事ができます。

睡眠障害とカラダへの影響

普段から良質の睡眠が取れていればこんな事になならなかったのに。　©︎Green Bridge

毎日気持ちよく目覚めるためには、良質な睡眠を得る事が大切です。寝ようとすればするほど眠れなくなる事がありますよね。それは、頭とカラダが寝る準備ができていないからです。

体は寝ているのに頭が起きている状態が続くと、睡眠障害など体に深刻な影響を及ぼします。また、判断能力が低下しますので日常のなんでもないところで事故が起きたりもします。

毎日の睡眠を良質なものに変えることで、不注意による事故を減らし、健康的な生活を送ることができるのです。

一番よく眠れる場所が病院というのは嫌ですよね。

小学生でも睡眠障害の驚愕の事実

日本人の２１％が睡眠障害を抱えているそうです。そして１５％の人が日中に眠気を自覚しており、きちんとした睡眠を取れていないことがわかります。それは、何も大人に限ったことではなくて、子供でも睡眠障害を抱えて苦しんでいる子供が大勢いるのです。睡眠障害とは不眠ということだけではなくて、逆に過眠（昼間に眠くてしょうがない）や夜中の覚醒など様々な問題となって現れます。睡眠障害（睡眠不足）は、脳に影響があると言われていて、一番影響を受けやすいのが前頭葉だと言われています。前頭葉では、ものを判断したり記憶したり、それから意欲に関係していたりする働きがあります。したがって睡眠不足が続くと、単純なミスを起こしたり場合によっては重大な事故につながるので早急に改善しなくてはなりません。

寝室を整える

寝室とは、その名の通り寝るための部屋です。つまり睡眠に必要のないものは持ち込んではいけません。代表的なものは、スマホとタブレットと目覚まし。これらのものがあると睡眠に影響を与えるので持ち込まないようにしましょう。

よく『８時間は寝ないとダメだよ』など睡眠＝睡眠時間と考えがちですが、いくら８時間寝たとしても睡眠環境が整っていないと、それは睡眠をとった事にはなりません。良質な睡眠をとる重要性を知る事で、社員の健康と安全を実現できる環境を整えましょう。

まとめ

人生の３分の１を占める睡眠。とても大事なことなのですが、意識しなければ睡眠について習うことも考えることもありません。また、いくら運動しても、いくらサプリメントを飲んでも、良質な睡眠を取れることはありません。良質な睡眠によりココロとカラダとアタマを休め、体に摂取した様々な栄養を同化させることで健康と安全が手に入るのです。これを機に、良質な睡眠について考えてみませんか。

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