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住宅会社を決める段階で、「どっちに頼むか?」「ほんとうにこの会社でいいのか?」という問題が起きることがあります。どちらの会社も魅力的だし、それぞれ違いがあるからどっちがいいのか決められない。今回はこのようなご相談です。
家づくりを考えはじめて3年
[お客様のプロフィール]
- 60代の女性
- 築80年の住宅にお住まいで、土地の活用と建て替えを考えている
- 3年前から検討を始め数社の住宅会社を検討し、現在契約段階
今回のお客様は、住まいの建て替えを考え始めて3年になるお客様です。これまでに数多くの住宅会社を見て回り、消費税増税を控えたこの時期に、住宅会社を決めかねて相談に来られました。
[相談内容]
- 2社に絞り込んだけれど、どちらに決めるか決めかねている
- 気に入っている方の住宅会社の担当者の対応がとても悪いので困っている
- 私の都合を聞かずに話を前に進めていこうとするので気が滅入っている
住まいは気に入っているのだけれど、営業担当者の対応の悪さに辟易しているご様子でした。このまま行けばこの会社は選ばれることはありません。せっかくの家づくりなので、気持ちよく進んで欲しいところです。
勉強熱心が仇になる?
お客様は、とても勉強熱心な方です。
先入観も持たずに『ここの話を聞いて見たい』と思ったとこをには、何度も通ったようです。そしていろいろな住宅会社の話を聞いているうちに、自分が建てたいと思っていた家の形が見えなくなってしまったようでした。
そこで、住まいづくりに必要な点をご説明し、今の現状を整理して自分にあった住宅会社を選択することにしました。整理する3点とは、
- 要望を整理する
- 問題点を整理する
- 住宅会社の特徴を整理する
となります。
要望を整理する
まず考えてもらったのはご自身の要望を整理すること。
建物だけでなく土地活用も同時に進めなければならないので、かなり大きなプロジェクトになるということ。住まいだけを考えていたようですが、実際にことが進んでいくうちに土地の活用方法がいくつか見えてきて、住まいよりもこちらの方が不安になってきたそうです。
もともとは、住まいの建て替えが主の目的だったのでそちらを改めて整理していくことにしました。
そしてわかったことは、
- 母親と二人で生活するちょうどいいサイズ
- 匂いに敏感なので、変な匂いのしない家
- 化学物質は嫌なので無垢材を使った家
- 土地に愛着があるので、家を建てる場所は今の場所
- 光熱費のかからない家
- 地震や災害に強い家
ということでした。
これらを実現してくれる住宅会社が求められているということです。
問題点を整理する
次に、直面する問題の整理をおこないました。現在2社に絞られていますが、ある一社が有力視されているようなのですが、ここに大きな問題がありました。
営業担当者が無神経で頭にきました!!怒怒怒
どういう事なのかお尋ねすると、いま時、こんなことあるのか?というような営業方法でした。
と、思い返しただけで腹立たしさが蘇ってくる様子でした。
そして、さらに追い打ちをかける出来事があったそうで、
とのことでした。
せっかく決まりかけていたお客様をこんな形で逃してしまうなんて、残念だなと思うとともに、今でもこんな営業方法をすすめている会社があることに私も驚きを隠せませんでした。
このお客様の場合、建物や提案には満足しているのですが、肝心の営業担当者が問題のようです。完成する家は同じでも、担当者によって気分良く進められないのは大きな問題ですね。この部分が解決すれば一歩前進しそうです。私からは、担当者を変更してもらえるか問い合わせることをお勧めしました。
住宅会社の特徴を整理する
住宅会社の数は全国に約6万社(参考記事 →全国の住宅会社の数、知ってますか?)と言われていますが、お客様はそのうちの一社と家づくりを始めるわけです。住宅展示場や住宅雑誌を見てもその数の多さに圧倒されることと思います。そして、このお客様の場合、3年余りの時間をかけて、やっと理想の2社にたどり着きました。
住宅会社の特徴をまとめるときに、一番大切なことは共通のメジャー(指標)を持つということ。どの会社も自分の会社の特徴を独自の指標で説明するのですが、プロでも難しい判断を初めて家づくりをされる方が行うのは至難の技。
共通のメジャーを持って比較検討された方がわかりやすくなります。
私がオススメしているのが5つのポイント
- 建物の基本性能(エネルギー消費量・耐震性能・健康面)
- 保証関係
- メンテナンス
- 営業担当
- コスト
⒈の建物の基本性能については、国が定める基準をもとに比較するといいでしょう。
「住宅性能表示制度」というのがあるのですが、そこで定められた等級が目安になります。
例えば、エネルギー消費量は1〜5等級の5段階があり5が最高等級になります。
また、耐震性能については1〜3等級の3段階があり、3が一番高く等級1の1.5倍の耐震性能があるとされています。
健康面についてはシックハウス対策がどのレベルでなされているかになりますが、使用する建材から発生する化学物質の放散量や換気システムのタイプや設置箇所により決まってきます。法律上、全ての住宅で対策は必要なのですが、その対応方法は各社区々なので、気になっている方は、詳しく聞いた方がいいでしょう。
⒉の保証関係は、法律で定められた10年保証(瑕疵担保履行法)はどの住宅にも付帯され、住宅のなかでも特に重要な部分である、構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する10年間の瑕疵担保責任を負っています。
したがって、その他の部分の保証がどうなっているのかを聞いておくことがとても重要です。物によっては1年しか保証がないものもあります。特に、現在の住宅のそのほとんどが電化されていますので、機器が壊れると快適な暮らしができなくなることを考えられます。電化製品の保証期間がどれくらいなのかも比較のポイントになりますよ。
⒊のメンテナンスについては、建物をより長持ちさせるために必要な項目です。車には車検があるように、長く安心してお使いいただくためには定期的な点検とメンテナンスが必要です。住まいは車よりも数多くの部品でつくられていますので、点検や交換が容易な方がいいし、もちろん長持ちする部品を使っている方が良いと言えます。この部分に一番の違いが出ますので入念に確認してください。
⒋の営業担当については、とにかく相性です。みなさんが話しやすい相手であること、そしてみなさんの家づくりを応援してくれる人が理想です。第一印象も大切ですが、家づくりを進めていくうちに『ん?』ということにならないように。疑問をもった相手では、よい家は作れません。
⒌のコストはもっとも大事な部分ですね。よく”坪50万円〜”とか”1棟1280万円”とか表示してある住宅がありますが、この金額で住宅が手に入ることはまずありません。
「坪単価」というのは延べ床面積で言っている住宅会社もあれば、「施工面積」(バルコニーなど付帯する工事面積も含み、実際の床面積よりも広くなる)を坪数としていたり、本体工事のみで付帯工事(簡単にいうとオプション)は含まれていないことがあるので注意が必要です。
コストを比較する際は、総額で比較するようにしてください
。つまり、お引き渡しが完了するまでの総額になります。こうすることで、資金計画もやりやすくなりますので住宅計画もスッキリしてきます。住宅会社に見積りを依頼するときに細かい部分まで見積りを出してもらいましょう。
そのほか、光熱費のシュミレーションも出してもらうと、資金計画はグッとわかりやすくなります。この辺りも問い合わせてみるといいでしょう。
各住宅会社はそれぞれ独自の基準や表示方法で説明することが多いのですが、これらの項目については同じ指標で比べることができるので、これらを一覧にして比較するとシンプルに比較ができます。
まとめ
家づくりを頼む相手を決めることは、人生のパートナーを決めることと同じです。
家を建てるまでの道のりも長いのですが、本当に大切なのは建てたあとも、その会社や担当者とお付き合いができるかということです。昨今のように自然災害が頻発しているご時世では、建物が新しい古いに関係なくお世話になる機会が多くなります。営業担当者=人選びも大切にしてくださいね。
そして、家づくりは慌てずじっくりと取り組むことをお勧めします。
(こちらも合わせてご覧ください)→家づくりを考え始めたときに必要なこと
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