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今年の夏の終わりに”碑文谷倶楽部 夏まつり”を開催し「暮らしの中の家具再考」と題して暮らしの中に潜む問題についてお話ししました。
今回、約50名のお客様が集まった大イベントについてご報告いたします。
碑文谷倶楽部とは
碑文谷倶楽部とは、2017年に設立されたICSカレッジ オブ アーツ学長の丸谷博男先生が主催するコミュニティです。住まいづくりや暮らしをテーマにした常設展示を行なっており、一般の方でも自由に見学することができるコミュニティです。コミュニティ内にはお茶室も設けられており、京都速水流のお稽古場としても活用されております。
また、定期的にセミナーや勉強会を開催し、人にも環境にも優しい住まいの情報をお届けしています。
碑文谷倶楽部 夏まつり
建築に携わる人だけでなく、地域の方を中心に一般の方にも気軽に参加していただけるよう様々な企画をたて、ご参加の皆様に楽しんでいただいております。今回は、夏まつりと題して開催。
第2部では福岡からギターデュオ”foo”を招き愛の溢れるコンサートで締めくくりました。
セミナー
今回は、暮らしと健康をテーマに建築家の丸谷博男先生と、住まいと暮らしのアドバイザー荒木康史(私)によるセミナーを開催しました。できるだけわかりやすく、できるだけ簡単に、専門用語は使わず、すぐに暮らしに活かせる内容でお話ししております。
暮らしと健康
丸谷博男先生からは、人と環境に優しいエコハウス”そらどまの家”のご紹介がありました。今年は猛暑でエアコンがないと暮らしていけないほどの暑さでしたが、もしも停電になったらどうなるのか心配ですね。その問題を解決するのが、丸谷博男先生の提唱するそらどまと呼ばれる太陽のエネルギーをコントロールする家。
太陽からの熱エネルギーは、空気を伝わってくる熱だけではなくて、宇宙の彼方から届く太陽の輻射熱(電磁波)が大きく影響しているそうです。例えば、日向よりも日陰が涼しく感じるように、同じ温度でも太陽エネルギーを直接受けないようにすることで、涼しさを手に入れることができます。
その原理を応用して、建物に向かってくる太陽エネルギーを建物を特殊なアルミシートで包むことで跳ね返すのがそらどまの仕組み。車のフロントガラスにアルミの日よけを付けてると車内の温度が抑えられますよね。それを住宅に組み込むことで建物内の温度の上昇を抑える仕組みだそうです。
とても面白い仕組みですよね。
それから、日本は湿気対策がとても重要な国だと教えてくれました。夏は高温多湿でジメジメしてて気温以上に暑く感じ、冬はとても乾燥しているので風邪もひきやすくなるし気温以上に寒く感じるという、とても面倒な気候のようです。普通の家であれば、夏は除湿機やエアコンの除湿運転、冬は加湿器による加湿をしながらなんとか暮らしている状態なんですね。
そこで、そらどまの家では呼吸する壁を採用しているそうです。
呼吸する壁とはどんな壁かというと、室内側は土、壁の中の断熱材は木、外側の壁も木という自然素材を使うことで、建物内の湿気をコントロールするというものです。昔の土壁の家が原型となっているようで、古民家を解体した時に壁の中が全く腐っていなかったことから、日本古来の建物の構造を研究し出来上がったというから、最新の住宅でありながら伝統を生かした住宅なのがわかります。半世紀前までエアコンはなかったことからも、昔の人の知恵と経験は相当なものだったと想像できます。
家づくりで大切にしなければならないところがよくわかるセミナーでした。
暮らしの中の家具再考 〜その家具選び、間違ってませんか?
私からは、建築と家具の関係と本物を家具を使うことで五感が刺激されることを、家具により引き起こされている健康問題を交えながらお話しさせていただきました。
家づくりの中で、おろそかにされているのが実は家具!
家族が一緒に暮らすとなれば、どんな暮らしをしたいのかによって、家具の形や大きさなど建物と一緒に検討しなければなりませんが、実際は、建物に合わせて家具を揃えていることが多いように感じています。せっかくの家づくりなのに、一番近い場所にある、一番長く触れるものに興味を持たないのはとても残念なことだと思います。
本物は手入れをすれば磨かれるけれど、フェイクは新品が最高の状態であとは劣化する
本物の家具を持つことで培われるのは、物を大切にする心とお手入れをすることで磨かれる手の感触、そしてものを見る目です。一般的に売られている家具は、そのほとんどが合板の上にビニールシートを張ったようなフェイクの商品。一見木のように見えていても、実はビニールだったというくらい最近の家具はよくできています。でも、本物の木製家具を使っている人なら簡単に見抜けるものです。それに、見た目でわからなかったとしても触ってみればその違いは歴然としています。
建物だけではない、暮らしの健康とは
家族の健康を守り、快適な暮らしを提供するために住宅には様々な規制がされてます。その一つにシックハウス対策というものがあり、建物から発生する化学物質とその量が規制されています。この基準を守るべく、住宅会社は素材や商品を選び住宅を建てるのですが、健康被害はなかなかなくならないというのが現実です。
以前、国会議員の議員宿舎で起きたシックハウス問題は国会でも取り上げられましたが、調査したところ化学物質の量は基準値以下に抑えられていたそうです。なぜ問題は無くならないのでしょうか。
東京都で実施した調査において、驚くべきことが報告されています。化学物質を全く含まない衣類をタンスに入れたところ、タンスに含まれる化学物質が衣類に移ることが分かりました。しかもその量は、建物の基準値のなんと数千倍高!価格を重視するあまり、自分に優しくない物に囲まれた生活を送っているご家庭も少なくありません。これが、無垢の木材を使った本物の家具ならもっと気持ちよく体に優しい生活ができるのに。
自分が気持ちいいと感じる空間を作る大切さを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。
暮らしの相談会
セミナーの後は暮らしの相談会を開催し、家具のこと、住まいのことを美味しいコーヒーを振舞いながらお話しさせていただきました。
笑顔をつくるコーヒー
セミナーやArkサロンではビンテージコーヒーミルを使って実際にコーヒー豆を挽いてもらいます。同じ豆を使っていても、使うミルによって味が違ってくるのでみなさん真剣です(笑)数十種類の見るの中からお好みの一台を選び、それぞれ豆を挽いていくと、その手触りと豆を挽く感触、そして何よりコーヒーの香りで自然と笑顔になります。
未体験の方は次回はぜひご参加ください。(荒木康史)
人が集まるところに一枚板のテーブル
近ごろ一枚板のテーブルをあちこちで見かけるようになりましたね。以前はそれほど見かけなかった気がしますが、最近では住宅展示場や飲食店など色々なところで見つけることができます。
人が集まる場所にはやはり本物の一枚板が求められているのかもしれません。公園の子供たちの様子を見ていて思うのですが、ほとんどの子供が木の下の木陰に集まって涼をとっています。決して遊具や人工物の日陰に集まろうとはしません。人は木に触れていたいとか包まれたいと感じているんですね。
子供の頃のそんな体験を毎日感じられるのが、身近にある家具なんです。ひとつとして同じものはなく、表情豊かでいつも触れていたいもの。それが無垢の木を使った本物の家具の良さだと思います。今回は、一枚板のテーブルやチェストや椅子などどのご家庭にも必ずあるものをご紹介させていただきました。
住まいの問題点
最近注目されてきたのが、電気の副作用として発生する電磁波。電磁波というと携帯電話とか電子レンジなどをイメージすると思いますが、建物の中で問題となるのが電気配線や家電製品から発生する極低周波の電磁波です。これは携帯電話などの電波と違って、電気として直接人体に流れてきます。そのまま放置していると、まるで電池のように体に溜まる事があるので、放電する必要があるります。
今回は、帯電測定器を使って体の中にどれくらい電気が溜まっているかを測定してもらいました。人の体は電気で動いているとも言われています。それを生体電位と言うのですが、体の電位(電圧)が0.1V以上になると体に影響が出ると言われています。
そこで、参加者の方にどれくらい電気が溜まっているかを測定してもらったところ、みなさんビックリ!
- 「こんなにも溜まってて大丈夫なんですか?」
- 「どうして電気が溜まったんですか?」
- 「どうすれば、溜まった電気を抜く事ができますか?」
と色々な質問をされますが、その答えはアースをする事で解決する事をお伝えし、体感してもらいました。
様々な家電製品に囲まれて便利な生活を送っているつもりが、まさか電気の副作用があるなんてと生活を見直すきっかけにもなった様です。
碑文谷倶楽部 夏祭り 第2部
第2部は、場所を移して福岡から来たフォークデュオ”foo”のライブでした。
主催者の丸谷博男先生も詩の朗読で参加し、命の大切さ、暮らしの大切さを切々と語っていました。そこには全て愛があると感じさせてくれました。人を思いやる気持ちこそが全ての原動力と感じた時間でした。
これからも暮らしのサロンArkは色々なところで開催していきます。イベント情報はこちらのサイトでご案内しますので、ときどきチェックしてください。
問合せ先:株式会社Green Bridge(問い合わせフォームへ)
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