目次
ひと昔前は、住まいの火災といえば冬のストーブによる火災とされていました。でも、現在では一年中その危険性が高いと言われています。安全なはずの住宅に何が起こっているのでしょうか。
地球温暖化とゲリラ豪雨
地球温暖化の影響として、夏のゲリラ豪雨が挙げられます。それは日本だけでなく世界中で起こっており、その影響の大きさははかり知れません。
気象庁の発表によると、この30年間で一時間当たり50mm以上の集中豪雨の回数は約1.3倍に、80mm以上の集中豪雨の回数は1.7倍に増加しています。そして、IPCCの報告によれば、『近年の気候変化に関する直接的な観測結果、大雨の頻度はほとんどの陸域において増加しており、これは昇温や観測された大気中の水蒸気量の増加と整合している。』とされています。そして、将来の気候変化に関する予測としては、『極端な高温や熱波、大雨の頻度は引き続き増加する可能性が非常に高い。』として、注意を呼びかけている状況です。
日本における集中豪雨はさらに増える傾向にあり、20年後にはその頻度が2倍以上になると予測されています(東京大学・国立環境研究所・海洋研究開発機構資料より)。そして、その雨量は増え続け、将来的には最大で1.2倍まで降雨量は増えると言われています。
なぜ温暖化によってなぜ大雨が増えるのか
温暖化が進むと以下のような理由で大雨が増えます。
•地球温暖化が進むと、大気中に含まれる水蒸気の量が増加する
•そうなれば、雨が降るような気象状況では、より大雨となり、集中豪雨も増加する
•すなわち、地球温暖化の進行に伴い、突然の豪雨や洪水も増加することが予想される
地球温暖化は確実に進行していますので、この傾向は今後ますます強まると考えられます。そうなると、現在の上下水道施設の能力を上回ることが予想され、さらに浸水被害も増加することでしょう。
落雷の恐ろしさ
昔から怖いものを表す言葉に『地震雷火事親父』という言葉があります。親父はそれくらい怖いという意味でつけられたもののようですが、そもそも地震雷火事というのはセットで考えるべきことなんですね。
雷が落ちたら火事に気をつけろ!
これが、これからの暮らしに必要な考え方になるでしょう。
地球温暖化と雷
実際に雷の発生数は増えていて、その危険性が高まっています。2005~2017年の12年間に気象観測所から報告のあった落雷害の数は、1,540件でした。
落雷害のうち約30%(468件)が8月に集中しています。また、発生地域の特徴を見ると、太平洋側で約65%、日本海側約35%が発生しています。月別に見ると、4~10月は太平洋側で多く、11~3月は日本海側で多い傾向にあります。ただし、7月と8月は全国で発生する頻度が高くなりますので注意が必要です。
さらに、このまま地球温暖化が進むとこの発生数はさらに高まると言われており、気温が1度上昇するごとに落雷は12%増えるとされています。
雷のパワーは発電所並み!
雷のパワーは凄まじく、その電圧は1億ボルトと言われています。アリスの曲に『君の瞳は1万ボルト』という有名な曲がありましたが、その比ではありません。その電力は100Wの電球を90億個も光らせることができる力を持っており、直撃を受けるとそれ相応の被害が生じることは容易に想像できます。
もしも自宅や近隣に雷が落ちた場合、うまく地中へ流れて(逃げて)くれればいいのですが、建物内に雷の大電流が流れた時は大きな被害に繋がります。
雷サージの威力
雷サージとは、雷が落ちるときに瞬間的に高い電圧(異常高電圧)が発生して、その異常高電圧の影響で異常な過大電流が流れる現象のことを言います。雷サージには、直接雷が落ちる直撃雷サージと、離れた場所に落ちた雷が地面やその他電線などを伝って起きる誘導雷サージとがあります。どちらも建物や人に対する影響は大きく、その対策を怠ると大きな被害に繋がりますので注意が必要です。特に、雷サージ対策をしていないコンセントに繋いだ電化製品は、故障や火災の原因となりますので対策は必須です。
【直撃雷サージ】
雷が電柱や電線、建物の避雷針、テレビのアンテナなどに落ちた場合、 雷の電気が、その電線を伝って建物の中に流れ込む現象です。
【誘導雷サージ】
放電によるもので樹木や地面に落雷した場合、その周辺にも高い電圧が発生します。 その電流が近くの電柱や電話線を伝い、建物の中に入り込む現象のことです。
雷サージの被害
雷サージにより異常な電流が建物に入り込むと、電線やアンテナ線などを通して家中に異常な電圧の電流が流れ込んできます。そして、コンセントにつながっているパソコンや家電製品などに定格以上の伝習が流れ込み、機械が故障する恐れがあります。
さらに、プラグや電化製品から出火し、火災が発生する危険性があります。集中豪雨による避難の最中に雷サージによる火災が発生したとしても、その場にいないことにより初期消火が遅れることも考えられるので、早急な対策が必要なことは言うまでもありません。
これから必要な対策
集中豪雨や落雷は、今まで以上に増えると予想されます。なるべく影響の少ないところで暮らすことが一番なのですが、そういう訳にも行きません。これからの暮らしをより安全にするために以下の対策をとりましょう。
- 雷サージ対策のコンセントに交換する
- 使わないコンセントは抜く
- 長期間使用している家電製品は専門家に点検してもらう
問合せ先:株式会社Green Bridge(グリーンブリッジ)→問い合わせフォーム
住まいや暮らしに関する情報を、メディアやセミナーを通じてお伝えしております。ユーザー様向けのセミナーや企業様向けの講演など各地で行っております。住まいを通じて、お客様に寄り添う、ていねいな暮らしのコンサルタントとしてお客様の快適な住まいと心地よい暮らしをサポートいたします!
株式会社Green Bridge →問い合わせフォーム
住まいの専門サイトHOUZZでユーザーの家づくりをサポート記事を連載しています。→こちら
運営する暮らしのサロンのセミナーの先行予約もいち早くご案内!
ぜひメールマガジンにご登録ください。