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高血圧による様々な影響は世界各国で論議されていて、いかにして血圧の上昇を抑えるかに注目が集まっています。色々な調査結果を見てみると、高血圧は万病のもとと言ってもいいほど。世界でもっとも健康長寿の国と言われてきた日本の現状はどうなんでしょうか?
世界で一番健康な国は?
ブルームバーグによると「健康な国」指数でスペインが1位となりました。日本はというと2017年の7位からランクを3つ上げ、4位と健闘しています。アジア勢では韓国が17位、中国は52位と低迷。ちなみにアメリカは35位となっています。この指標は、単に健康状態だけを評価したものではなく、喫煙や肥満のリスク、浄水へのアクセスなど環境面も評価されています。やはり世界的に見ても日本は健康面でも安全面でも世界的に良いということが分かります。
平均寿命と健康寿命
日本人は以前から長生きと言われてきましたが、その平均寿命は今でも伸びており、男性は80.89歳、女性は87.14歳と世界的に見ても長寿国です。とても素晴らしいことですね。
ところが手放しで喜べない状況もあるんです。それが健康寿命。健康寿命とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと(Wikipediaによる)とあり、健康寿命を過ぎると生活に何らかの支障が出ると言われています。
つまり、男性の場合約9年間を女性の場合は約12年間を健康上何らかの問題を抱えて過ごすことになるのだそうです。こんなに長い期間、病院への通院や薬による治療など継続することになるのは嫌ですよね。なんとか健康寿命と平均寿命を一致させることが、健康に人生を全うするために考えて行かなければならないことになります。
日本人の半分が高血圧!
いま、仮面高血圧が注目されています。テレビを見ても雑誌を見ても『高血圧に注意しましょう』とか『健康のために血圧を下げましょう』と呼びかけています。この流れは世界的なもので各国で高血圧の基準が変更されています。米国のガイドラインは25年ぶりに変更され、従来の140/90mmHgから130/80mmHgに引下げられました。また、欧州のガイドラインも降圧目標を130/80mmHgとしています。
では、日本の基準はどうかというとJSH2019の素案によると、高血圧の基準と降圧薬の開始基準については従来の140/90mmHg以上とする一方、降圧目標は75歳未満の患者は原則、130/80mmHg未満に引下げるとあります。さらに、最近のアメリカでは、上が120mmHg/80mmHgを正常と考える動きも出てきています。この数値を見て『この数値だとひっかかるな!』と思った方も多いと思います。実際、この数値を日本人に当てはめると約半数の人が高血圧ということになるそうです。そう考えると、健康寿命が平均寿命と大きくかけ離れている理由も分かりますね。
仮面高血圧が問題
血圧の測定、毎日行なっていますか?
血圧測定ですが、病院へ通院している人でもない限り毎日とる人は少ないと思います。おそらく健康診断の時やスポーツクラブ、家電量販店や薬局などでたまに測定する人がほとんどではないでしょうか。そしてその時間もまちまちだと思います。
実はこの測定に問題があり、本来は高血圧なのに、毎日測定してなかったり時間がまちまちだったりすることで高血圧を見逃していることがあるというのです。
家が寒いと血圧が上がる!
血圧は、朝起きてから夜寝るまでの間に大きく変動します。その変動のポイントは次の2つで、
- 人によって血圧が高い時間が違う
- 気温や室温で大きく変動する
というものです。その他にも『家だと血圧が低いのに病院で測ると高く出るんですよ』という人が(たくさん)いますが、緊張などからくる"白衣高血圧”と呼ばれるもので、一過性のものであれば問題なさそうです。
それでは、変動のポイントについて見てみたいと思います。
⒈人によって血圧が高い時間が違う
一般的には、朝起きてすぐの血圧が高い人が多いと言われています。実際、心筋梗塞が発症した時間をみると、起床後1時間以内に発作が起こりやすくなっています。また、昼間高血圧(昼型)と夜間高血圧(夜型)とあるのですが、例えば昼型の場合、肉体的または精神的に何らかのストレスから生じている可能性があったりしますので、単純に降圧剤を飲めば済むというわけでは無いようです。このような方は、カラダ全体のバランスを治すことから始めた方がいいかもしれません。
⒉気温や室温で大きく変動する
もっとも影響が大きいのは、生活している空間の温度かもしれません。『住まいとインフルエンザとアレルギー』でもご紹介しましたが、人が生活する上で健康的で快適な環境とは室温18℃〜28℃、湿度40%〜60%とされています。この空気環境であれば、カビやダニの発生を抑えられウィルスの増殖を抑えることが出来るだけでなく、血圧の変動を抑えることができることがわかっています。
つまり、18度以上の室温であればいいのですが、実際の住まいは違っているようです。岩前篤(近畿大学理工学部教授)によれば、冬季における日本全国の寝室の温度を調べたところ、そのほとんどの地域で18度を下回っていたそうです。場合によっては10度を下回る地域もあり、健康に何らかの障害が起こる可能性があることを指摘しています。
グラフのように室温が低いと起床時の血圧が全年齢において高くなっていることがわかります。そして、その上昇は年齢が上がるほどに大きくなり、健康上、大きなリスクとなっています。その一方で、18度以上になると高血圧の指針となる140を下回っています。
このことは、日中や居間にいる時は血圧は低くても寝室が寒いことによる高血圧の人(仮面高血圧)が潜在的に存在するということを表しています。つまり、室内の温度を18℃〜28℃(季節によって最適な温度は変動します)に保つことによって血圧上昇のリスクが回避されることになります。
高血圧は万病のもと
高血圧の問題は、合併症として私たちの命を脅かすものになります。合併症の主な症状を挙げると、
- 心筋梗塞・狭心症
- 脳出血・脳梗塞などの脳血管障害
- うっ血性心不全
- 高血圧性心肥大
- 高血圧性腎障害
- 過活動膀胱症状
- 脂質異常症
など様々です。命に関わる合併症が多いので注意が必要です。そのほかにも高血圧は様々な症状として現れますので、『いつもと体調が違うな』と思ったら血圧を測り病院へ行くことをお勧めします。
血圧は朝晩2回、毎日測定が原則
では、隠れ高血圧を見過ごさないようにするためにはどうするかということですが、朝晩2回の血圧測定が大切です。また、測定方法も日本高血圧学会で指定されていますので参考にするといいでしょう。
朝(起床後1時間以内)、晩(就床前) 1機会原則2回測定し,その平均をとる
1機会に1回のみ測定した場合には、1回のみの血圧値をその機会の血圧値として用いる。
合わせて読みたい→住まいとインフルエンザとアレルギー
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