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住まいを手に入れるということは、余程のことがない限りその家に住み続けることになります。『手に入れた頃は良かったけれど、最近は空き家も多くなってきて環境も少し悪くなってきたかも。』そんな声を聞くことが多くなってきました。
住みたい街
毎年発表される住みたい街ランキング(株式会社リクルート住まいカンパニー調査より)上位3エリアは、関東では、横浜・恵比寿・吉祥寺、関西では西宮北口・梅田・神戸三宮となっています。「交通アクセスの良さ」と「何でもそろう買い物の便利さ」など、生活の利便性が住みたいと思わせる要因となっているので、住宅街などはあまり上位にランクインしません。また、いま住みたい街のランキングなので毎年同じエリアが上位に来るわけではありません。例えば、2012年に3位だった自由が丘は、17位までランクを落としています。それに、いま住みたい街とこれからもずっと住みたい街は、意外と一致しないことの方が多いようです。
住み心地のいい街
一方で、そこに実際に住んでいる人が感じている『街の住みここちランキング』(大東建託)があります。この調査によるランキング上位は、広尾・市ヶ谷・北山田と住みたい街150位以内にも入っていない先となっています。
どうしてここまで違いが出るのか考えてみると、一番の要因はそこに住んで何をするかという目的の違いによります。住みたい街という時には、買い物や通勤・通学・娯楽などを考え選んでいる傾向にありますが、実際にそこで生活する(している)となると、毎日のことや安全性などが優先され、トータルで見た時にいかに住まい易いかを経験しているからだと考えられます。上位のアンケート結果を見ても静かさ・治安、生活利便性、津波地盤の安心などが他の街に比べて高い傾向にあります。
街の価値を高める
その土地に家を持つということは(賃貸でも同じことですが)、その土地の価値を高めるのも価値を下げるのも自分次第ということになります。住みやすいかどうかを決めるのも、自分がその街でどんな暮らしをしたいのかをイメージした上で場所を選べば、自ずと住まいかたも決まってきますので、住みにくいということは起きないのではないでしょうか。ただ単に『そこに住みたい』とか『利便性が良いから』だけで場所を決めると、実際の生活において暮らしにくさを感じるのも無理はありません。
住めば都
大東建託の調査によると、今の街(駅)に住み続けたい人は3割しかいないという結果になっていました。この割合は、年齢が上がるほど高くなる傾向にあり、60歳以上だと43%もの方が住み続けたいと答えています。これから先の人生で、新たな負債(ローン)を抱えたくないという現実が見えてきますね。
街の魅力は自分次第
でも、縁あってこの街に暮らしたのだから、せっかくなら自分の住む街を魅力的な街にしたほうがいい。そういう思いが、街の魅力を高めていきます。『街の住み心地ランキング』でランキングされているところは、一部を除いて『住みたい街ランキング』には載らない街ばかり。つまり、住んでこそ分かる街の良さがあるということです。では、街の良さとか住み心地の良さはどのようなところで感じるのでしょうか。
街がきれい
街がきれいだと、気持ちよく暮らせますね。ゴミや落ち葉が散乱しているようでは、ここに住みたいなんて思えません。住みたい街ランキングの上位の街をいくつか見て回りましたが、マンションの前にゴミが山積みにしてあったり、自転車が街中に放置してあったりしてガッカリする事があります。最近はカラスやハクビシンなど危険な動物が出没していますので、ゴミの問題だけでなく街の安全面からも改善が必要になります。
逆に、きれいな街は、ゴミ置場も街中もいつもキレイにしてあるので気持ちがいいですね。でも、放っておいても街はキレイになりません。そういう街では、それぞれの家庭が自主的に街全体を清掃している所がほとんどです。このご時世、ご高齢のお宅や空き家もたくさんありますので、自分の家の周りがけでなくそういったお宅の清掃もするなど、自分の街だからこそ人も環境も大事にするという気持ちが現れています。こうした街は、総じて手入れの行き届いた建物が多いのも魅力の一つです。
街並みが美しい
街並みが美しいとその街に惹かれますね。新しい街は当然ながら古く美しい街並みは、そこに住む人々が長い年月をかけて作り上げてきた重みを感じます。手入れをしなくなった家はすぐに廃れていくように、手入れを怠ってきた街は、人を寄せ付けいない空気をかもし出します。いくら立地が良くても、利便性が良くても、街としての魅力は失われていくのです。住みたい街と住みやすさのギャップが大きいとき、住まい手の行動が街の魅力を作り上げていることに気づいていない場合が多いのです。
例えば、住まいのメンテナンスや庭木のお手入れをすることは、自分の財産を守るだけでなく街の美観にもいい影響を与えるということを意識しなければなりません。街並みが美しい街は、住まいを大切にし、街を大切にしている人が多く住む街なので、自然と魅力的な街になっていきます。自分の家の周りだけがキレイでも、街全体が美しくなければ魅力的な街にはなり得ません。自分の家のごとく自分の街として美しくなるような心掛けが大切ですね。
いろんな世代が混じっている
住まいの手入れや街の新陳代謝が止まった街は、次第に街の魅力を失っていきます。以前は『職住近接』と言われ、働くことを中心に住まいを決めていましたが、現在では『食住近接』と言って、買い物の利便性や外食ができるかなど自宅で過ごす時間をより多く取れるような住環境が求められています。しかし街の新陳代謝がうまく進まないと、魅力は薄れ、次第に人は減り、そこにあった商店や食事処も無くなっていくと言う負の連鎖につながっていきます。事実、以前は高級住宅地として名を馳せた住宅街でも、新たな住民が増えないことから、今ではスーパーや商店、病院までも無くなったと言う話もあるくらいです。魅力のある街として長く存在していくためには、老若男女問わず住みやすい街を作り出していく必要があります。住んでいる人もこれから住もうとする人も気持ちよく暮らせるような街づくりが求められています。
街の魅力は自分達がつくる
いい街かどうかを決めるのは、そこに住む人が決めることです。何も『魅力的な街にしよう』と意気込む必要もなく、日々をていねいに過ごしていけば自ずと魅力的な街になっていきます。自分と住まいの関係や住まいと環境の繋がりを大切にすることです。そうすれば、街はもっと住みやすくなり、魅力ある街には人が流れ込み、さらに魅力的な街になるでしょう。そういう事こそ、街づくりだと考えます。
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